医局を円満に辞めることは可能?
こんにちは、Dr.KyoJiです。
普段はフリーランス医として外来診療や日当直をこなしながら、医師の副業、資産形成に関する総合情報を発信しています。
現在の自分は月収200万を稼げており、それを積極的に投資に回して資産形成を築いています。
医師の収入には多少の差がありますが、一番手っ取り早くて確実な収入源としては当直バイトだな、と思っております。
現在はフリーランス医ですが、以前は大学の医局に属していたこともあります。
最近witterのDMで次の様なご質問をいただきます。

医局をなるべく円満に辞めるにはどうしたらいいですか?
ご質問ありがとうございます。
結論としては先生方が属している医局の雰囲気や在籍年数、教授のご意向、地方か首都圏かによって様々でありまして、全て私の意見があっているとは限りません。
しかしそれだと話が進まないので、ここでは自分の経験を元に円満に医局を辞める方法をお伝えしようと思います。
なおtwitterで日々フリーランス医としての生き方や医療者としてどう人生に満足していくかを発信していますので、ぜひフォローお願いします。
医局を辞めようと思う時ってどんな時?
突然ですが医局を辞めようと思う時ってどんな時でしょうか?
学位も取れて就職先にも困らず、毎年勝手に後輩が入ってきて何もしなくても自分の地位が上がっていく
こんないい環境、そうそう手に入らないですよね?
医局を辞めたいと思う時はこういった医局のメリットを感じなくなる時ですね。
以前このようなDMも頂きました。

大学病院は勤務体型も本当にブラックで、教授は自分の大学出身者のみ可愛がり、ここにいても意味がないと悩んでいます
ご連絡ありがとうございます。
この方はマイナー科の女医さんでしたが、当直や休日の日当直の割り振りが不平等で、さらに他大からの入局だったので自分の居場所がないと思うようになったとのことです。
つまり、医局は自分が居心地のいいいい環境と思えば出ることは考えられませんが、自分の居場所がない、生活が辛い、などその恩恵を感じない時に退局しようと思います。
僕の場合はもともと留学に行きたかったので医局での居心地の良さやQOLを求めてはおらず、その態度が教授にも他の医局員にも良く思われていなかったと自覚しています。
医局を辞めようと決意したら
自分の時もそうでしたが、一度自分の居場所がない、他の場所で働きたい、もっと違う医療がしたいと思ったらどんどんその医局への気持ちは薄れていきます。
しかしそこから何も行動しなければ、ただ医局にネガティブなイメージを持ったまま居続けなければならなくなります。
医局を出よう、医局から出たいと思ったらそれを実現するためにいくつかの行動が必要になります。
その行動について深掘りしましょう
今までに退局した先生の情報を収集する
同じ大学でも他の医局の実態がわからないことは良くあると思います。同じ内科でも第一内科と第二内科で医局の雰囲気が全然違うなんてことは良くあります。
つまり医局はどの医局に所属するかによって事情が大きく異なります。
これは退局するときでも同じことが言えます。
比較的理解のある教授もいれば、自分の権威をもって厳しい対応をする教授もいます。
そのため教授が変わっていなければ以前に自分の所属していた医局を辞めた先生からの情報を収集すると、自分が医局を辞める際の参考になります。
自分の場合はちょうど自分の年代になって退局される先生が何名かいらっしゃったのでその方にどう教授と話したかとかを伺っておりました。
早めに退局の旨を伝える
自分の経験としては教授に退局を伝えるタイミングは早い方が良いといえます。
これは自分の為というよりは医局人事の為と言えます。
早目に伝えておくことで、退局後の他の医師の医局人事の調整が付きますので、波風を立たないようにできます。
医局人事を考えようとしている時にいきなり「次の春に辞めます」となると、医局での人事の調整もつきにくくなるため、引き留められたり厳しい対処をされる可能性も高くなります。
実際に、ギリギリのタイミングで退局を伝えたことで教授の印象が悪くなり、それが他の医療機関にも話が伝わって転職が破談になったケースもあります。
自分の経験から言うと、突然「辞めます」と言わなくてもいいと思います。
「認定医を今後取得したら、新しいところで挑戦したい」
「父親の体調があまり良くなく、ゆくゆくは家族の為に故郷に帰る準備がしたい」
といったようにいずれは対局をしたいと言う雰囲気を伝えるだけでも、その後の退局の話をスムーズに進めることができるかもしれません。
しかしこれは先ほどもお伝えしたように教授の性格や気持ち次第で悪手にもなりますので十分に注意が必要です。
退局は自分の意思で自発的に進めていく
退局を教授に伝えてもその場ははぐらかされたり、医局人事が安定するまで待ってほしいと言われていつまでも止まってしまったりと、退局の話がなかなか進まないことがあります。
良く考えると、医局や教授の立場からすれば、先生方の退局を積極的に進めることに何もメリットはなく(むしろデメリットでもあります)、自発的に退局に向けて動かなければいけません。
また、医局を辞めた後は全て自分の意思で決断して行動しなければならないのでその訓練とも思って行動するのがいいと思います。
ずっと医局にいると自らの意思で行動することを忘れていることが多くなかなか行動に移せないことが多いですので、「自発的に!」と自分に言い聞かせながら行動するのがちょうどいいかもしれません。
医局との関係を保つことを考えて退局する
医局人事からは離れ、自分の希望の病院に転職するとしても、教授や医局との関係はなるべく円満に保った方がいいです。
医局によってはそれを良しとしないところもありますが、実際に同門会に籍は残し、医局費を払いながら退局したり、退局後にも大学へ定期的に勤務に行ったりと、医局との関係を残しつつ退局する手段なども考えられます。
自分の医局では、それまで講師であった先生が、医局人事から離れて市中病院に転職されました。その際に教授との話し合いで、転職後も週一回はカテーテル検査や学生の講義のために大学に勤務することで話がまとまりました。
このように、単に医局を辞めて全部自由、医局との関係を断つ!という終わらせ方以外にも色々な未来があります。
これは教授の考えによって、また医局をやめる先生の状況や技量によっても変わるため、教授や医局員と十分に話し合って納得のいく答えを見つけていくことが望ましいといえます。
自分の意思を持って行動し、医局と共存できる未来を描く
以上が自分の経験から考えられる、医局を円満にやめる為の考え方です。
大事なことは退局は自分の意思で行うことで誰かがやってくれることではなく、自分の行動に責任を持たなければ進まないと言うこと
「退局=医局との関係が終了」ではなく、自分の望んだ生き方の一部に医局があり、医局と共存できる働き方もあることを理解すること
この辺りをしっかりとおさえることが医局を円満にやめる秘訣なのかなと思います。
今回はここまでにします。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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