はじめに

このサイトをご覧いただき有難うございます。このサイトをご覧になる方は医師の方が多いと思います。患者さんや家族のために日々朝から晩まで病院で仕事をし、休日もオンコールで呼ばれ一日中手術と、自分の時間を犠牲にして医療に貢献されていると思います。その日々の労働からお金儲けということを真面目に考えた先生はほとんどいらっしゃらないのではと思います。

医師という職業はいわゆる聖職です。それ故、お金儲けという行為はその対極にあり、医師がお金儲けを考えるというのは世間一般の常識としてナンセンスなものと捉えられています。医者は決してお金儲けについて考えてはいけなく、人の命について考えなければならないのです。また医者ではない友人からは「人の命を救っているから金持ちなんでしょ」と漠然と言われることが多いです。世間の目から見たら医師の収入は裕福な部類に入ると思われていますが、現実は中間富裕層であることがほとんどです。

このように先生方ご自身のお仕事の忙しさ、そして世間からの評価によって医師はマネーリテラシーを磨くことができないのです。

僕自身もそうでした。勤務病院とアルバイト先の病院、合わせて月15回の当直をこなし、毎月複数の病院から給料明細をもらい、毎年言われるがままに確定申告を行って税金を納めてきました。正直これでも満足のいく収入ではありましたので、お金のことを考えるよりは患者のこと、手術のことを優先していました。

お金に関することで自分の転機が訪れたのは留学がきっかけでした。学生時代に夢に見た臨床留学の機会があり、なりふり構わず留学の道を進みました。USMLEもECFMG(米国医師免許)も取得し、約10年間勉強し続けた結果がついに報われる、そんな思いで渡米しました。

私の場合特殊だったことは、渡米する直前に家族が増える事になり、かといって留学を諦めきれず自分一人で留学したことでした。留学は一般的に日本の医業と比べて収入は激減します。加えて渡航費用や日本の家族の生活費など出費がかさみました。貯金がどんどん減っている事に気づきましたが、かといって収入を上げる手段がなく、(知らなかったと言った方が正確かもしれません)ただただ毎月減っていく預金通帳をスマートフォンで眺めているだけでした。

そしてついには貯金が底をつき、このままでは家族が暮らせないというところまで減ったところで留学を諦めざるをえませんでした。お金に関しては誰も助けてくれません。お金がなくなってくると、今までは感じたことのなかった不安に襲われ夜も眠れなくなりました。仕事にも集中できず、何をしてても不安が襲い、いつしか帰りの飛行機代を握りしめて日本への帰路に就いていました。僕の留学はこうして終わったのです。

日本に帰ってきてしばらくして、人間は自分の生活が満たされてはじめて他人のことを思いやるこができるのだと実感しました。自分の生活が成り立たなくなると、もはや医療を考えることすらできなくなります。医師として恥ずかしい人間になってしまったと自分を恥じていました。医療のために邁進しているはずが、いつしかお金を稼ぐにはどうすれば、と考えるようになっており自分自身が情けなくなります。

しかしそれも自分の正直な気持ちであり、そこから私は医師のお金儲けについて真剣に向き合うようになりました。患者に背いて自分の収入を増やすのではなく、お金儲けによって我々医師の生活を満たすことでさらなる挑戦、さらなる社会貢献に邁進することができるのでは、と考えるようになりました。

このような経緯で私は医師が医業以外でお金を稼ぐことの重要性を広めたいと思いました。医師が富を求めることは世間一般の認識ではタブーとされています。また医師自身もそのような行為は医学の心に反するものだと思っている先生もたくさんいると思います。その為、世間が求める医師像の外側の世界、また富を求める医師が築き上げる、時代のルール、概念に囚われない規範の外側の世界をイメージし、OUTER HEAVEN (天国の外側の世界)と名付けました。

医師はお金儲けをしてはいけないという常識を覆し、先生方のさらなる挑戦、ひいてはさらなる社会貢献のきっかけになれば幸いです。