【S&P500】インデックス投資の終わり【4%ルール】

【S&P500】インデックス投資の終わり【4%ルール】

こんにちは、Dr.KyoJiです。現役の医師で、現在は救急外来での外来診療や当直業務を行う傍ら、医師の資産形成についての情報を発信しています。

昨今のコロナウイルスの影響で米国相場はかつてないほどの下落を示し、あらゆる銘柄で強い売り傾向に陥っています。

私自身投資経験が長いわけでなく、このような下落を経験した事がありませんでした。この状況で新たに投資する勇気はなく、静観しつつ、底が来たと思ったら少しづつ買い増す程度の投資をしておりました。

そんな中、インデックス投資を始めていた同期から次のような質問を受けました。

コツコツとインデックス投資を積み上げることはわかってるんだけど、これはいつ、どのくらいから引き出せばいいのかな?こんな暴落だとすぐに全額引き出したくなるんだよね

確かにその気持ちはわかります。個別銘柄であれば一定期間ごとに配当金が入ってきますが、インデックス投資は配当金を再投資するようにしており、投資を積み上げても実生活に直接は還元されていないと思います。

そこで今回はインデックス投資に回した資金をどのくらいから引き出していくのが適切かについてお話しします。

昨今のS&P500チャートから見る見通し

2020年3月22日現在のS&P500のチャートをお示しします。

TradingViewより

コロナウイルスの影響を受け、現在2304.93USDまで下落しています。

なぜ私がS&P500をみているかというと、自分の投資しているインデックスファンドはS&P500と連動するように組まれている信託投資だからです。

つまりS&P500が下落を続けているということは、それに連動するインデックスファンドも同様に下落をするためです。

それじゃあ早く売らないとじゃないか!

と思う方もいると思います

実はS&P500は米国の株式市場の時価総額の約80%をカバーしているため、概ね米国の経済成長全体を表す指標といえます。

このS&P500は、米国の歴史上、一時的な下落はみられるものの、全体的には右肩上がりの価額にて推移してきています。

つまりS&P500の値動きに忠実に連動するインデックスファンドを買って、かつ一定期間保有していれば一定のリターンを着実に得られてきたことを、今までの歴史が教えてくれています。

ここで重要なことは、投資したインデックスファンドの基準価額が今回のように下落したからといって、損失を恐れて短絡的な売却(つまり損失の確定)を行ってはいけないということです。

個別銘柄と異なりインデックス投資とは、日々の価額の変動に一喜一憂することなく、長期的にみた価額の上昇を期待して保有し続けることが重要なのです

これが、私がこの下落相場でもなんの迷いもなくインデックスファンドに投資し続けている理由です。

下落を続けるのでもちろん評価損益はマイナスです。

しかしS&Pは将来必ず上昇してくれると歴史が教えてくれているので、その教えに従い淡々と資金を投入しています。

インデックス投資の大事なところは20-30年後を考えるところです。

インデックス投資の終わり:トリニティ研究

それでは、インデックス投資に投資した資金はいつ引き出すのがいいのでしょうか?

先ほども述べましたが個別銘柄であれば一定期間ごとに配当金が入ってきますが、インデックス投資では配当金を再投資する設定にするとそうはいきません。

毎回一定額投資はするけどそれをいつ引き出せばいいのか、このような下落の時に引き落とせばいいのでしょうか?

答えはノーです。

皆さんは4%ルールというものをご存知でしょうか?

4%ルールとは、リタイア時のポートフォリオの4%を年間の生活費に回しても、残りの人生で投資資金が尽きないというトリニティ研究の結果から示されたルールです。

トリニティ研究とは

トリニティ研究とは、アメリカのトリニティ大学のCooley博士らによって1999年のJournal of American Association Individual Investorsに掲載されました。

この研究では、残りの人生を全うするために、リタイア時のポートフォリオからどれだけ毎年お金を引き出すことができるかを調べています。

この研究では引退後の人生が20年、25年、30年であると仮定し、インフレーション率も考慮に入れて計算されています。

研究の結果、株式75%債券25%のポートフォリオで年間4%づつ引き出した場合、30年間の残りの人生を全うできる確率100%でした。

株式の割り当てが100%の場合は残り30年の人生を全うできる確率は98%、割り当てが50%の場合は95%という結果になっています。

しかし引き出し率を5%に引き上げた場合、30年間の残りの人生を全うできる確率は86%、さらに引き出し率6%の場合は63%まで低下します。

すなわち結論として、リタイア時のポートフォリオの少なくとも75%を株式投資にした場合、年間4%を引き出してもリタイア時のポートフォリオだけで残りの人生を全うできることがわかりました。

トリニティ研究のその後・・・

トリニティ研究はその後追加研究が行われ2018年1月にいくつかの注意点を改善したトリニティ研究の追加報告が行われました。

この追加報告によると、リタイア後40年までを考慮しても

割り当て:株式75%債券25%と株式50%債券50%に大きな差はない

引き出し率:引退後30年までは4%で全うできるが、その後は残りの人生を全うできる確率が徐々に低下する。リタイア後40年では株式75%債券25%の割り当ての場合全う率が92%、株式50%債券50%の場合の全う率は87%まで低下する。引き出し率が3%の場合は、どちらの割り当てでも40年までは全う率100%を維持できる

という結果でありました。

近年では、FIRE:Financial Independence Retire Earlyの頭文字を取ったもので、「経済的に独立して早く引退しよう」という動きが人気です。

この場合は年間の引き出しを3%にする方がいいという意見もあったりします。

しかし、自分は医師をしています。自分の経済的自由のためにアーリーリタイアをしようとは考えていません。

自分の知識と技術が必要とされるまで働こうと決めていますので、FIREを想定した引き出しに関しては勉強していませんのでここでは割愛させていただきます。

インデックス投資の引き出しはまだまだ先

少し長くなりましたがまとめますと、

インデックス投資の切り崩しはリタイア時から30年毎年4%づつで全うできる

それまではどんな相場でもコツコツ投資し積み上げていく

ということです。

今までみたこともなような下落が連日続いていますが、今までの長い歴史を振り返ると意外と安心できますよ。

インデックス投資の仕組みについてもっと知りたいという方は下の記事をご覧ください。

また、歴史的な下落相場を目の前にインデックス投資の再編成の基準をどのように考えるかは下のブログでお話ししています。